矍鑠たるギャランドウ・岩井拓哉 物語

矍鑠たるギャランドウ・岩井拓哉 物語

=LEGION in 鹿児島2017 第5試合 岩井拓哉 VS 新村秀作=

著者・岩倉豪

「勝つのか?負けてしまうのか?」それが問題だ。




岩井拓哉、ハイブリットレスリング鹿児島を代表するファイターであり南九州を代表する軽量級選手、その風貌は中国人が勝手にコピーしたウルトラマンと同じシュールな横顔と、西城秀樹バリのギャランドウ(胸毛)をフサフサとなびかせながら戦う姿はリングの上をシュールにする。

岩井は胸毛について聞くと呟く

「ギャランドウ(胸毛)が濃いのは情に厚いから」

その情の深さと、こり固まった何とかの一つ覚えと呼ばれる。
デビュー以来変わらぬフィジカルを無駄に駆使した戦いで存在感を見せ、彼をより良き勝利に導こうとチームメイトや指導者が試合前に考えぬきアドバイスした戦術プランを、ゴングが鳴ると全てが無かったかのような、

「あ~あ」

とため息が出てしまう、戦い方が岩井拓哉の哲学があり、打ち合わせと違う思いもよらぬ出来事がリングで起こる。

岩井拓哉の試合を7年前と現在を比較しよう、戦い方は今も昔も、ほとんど同じ。
全く同じと言っても過言ではない。どこからか成長がないと言われてしまう。



=解説・岩井アタックについて=

高い身体能力を駆使して試合開始から強引にタックルし、コーナーかロープに押し込み、関節技の基本中の基本であるパスガードを一切せずに、地下格闘技の総合選手みたいに相手のガードの中でガンガン殴り、相手が嫌がったとこで様々な関節技を無理に仕掛け、技が偶然引っかかったら、なんとなく関節を極める。



これが岩井拓哉の戦い方、7年たっても変わらぬ戦い方で勝っても負けてもこのスタイルで今まで来た。このフィジカル頼みの技術的成長のない姿に指導者も心が折れたように諦め気味、岩井の戦い方はNHKのBSハイビジョンで特集される古い伝統工芸を守る職人の心を持つ。




新村秀作はアニメ「ラキ☆スタ」が好きであり声優の「田村ゆかり」の熱心な信者である。
いわゆる痛いオタクという生き物、どこか中途半端さが漂うオタクはリングへの入場時に声優の「田村ゆかり」のピンクのハッピを着て入場してた新村の姿に観客はシーンと静まりかえり「そりゃそうだ」観客はドン引きだった。

新村も顔に

「あっ。これはスベッタな」

という表情を見せ、なんとかリングに上がり盛り上げごまかそうと無理してパフォーマンスするが、冷めた目付きの観客は

「何やっているんだ?」
「ところで誰のファンよ?」

と変なざわめきが、あちらこちらから聞こえ、そう格闘技の会場でオタク系ファイターが入場で絶対にやってはいけない「スベル」を完全にやってしまった。


そんな滑った新村の姿を岩井は見て「スベッタ奴は勝てねえよ」と呟きニヤリと笑う。


そう、古今東西の格闘技の試合でオタク系ファイターで入場の時に「スベッタ」選手は、ほとんど勝てたためしがない。

オタク系ファイターは何より入場の時にお客の心をつかむパフォーマンスを心掛けるべきでしょう。
そこが大事なんですけど・・・様々な不思議な思いがぶつかり競う第5試合、両者闘気を漲らせレフリーを挟み睨みあう。

リングには喜怒哀楽の激しさがあり、その感情に押されながら実力を技にのせて振るう。リングの上の勝利を手にして何の徳があるか考えると、勝利とは夢、勝利は瞬間の出来事、リングを降りたら泡のように消えてしまう。だが勝利は、いつまでも色あせない。
そしてゴングが鳴る。

岩井拓哉の序盤の攻めは、いつものように小刻みにパンチを出すそぶりを見せながら相手との間合いを詰めギャランドウ(胸毛)をフサフサとなびかせ新村に組みつき、押し込みロープを背負わせ右足をかけて倒す、いつもと同じ【岩井アタック】だ。

NHKのBSハイビジョン放送で特集されそうな7年間全く変わらない伝統と格式を持った【岩井アタック】、毎回この展開なんだから戦う相手に「ちゃんと対策練ってこい」と言いたくなる。


岩井はグラウンド状態でコーナーの角でネチッこく攻めるが、新村はハーフガードで展開を作ろうと柔術チックな動きでハーフガードをワザと外さない。
展開で戦うのも岩井の特徴、あまりにも試合展開がないのでレフリーにストップドントムーブでリング中央にもっていき再開、新村はハーフガードをブラジリアン柔術的なフックガードに切り替え立ち上がり、スタンドで打撃の攻防に持ち込むが、岩井はフックで攻めながら同じように組み付き倒す。

新村は、そこから足関節を取りに行ったりと展開を見せるが足の絡ませ方が足りず岩井の膝を固定できず極めきれない。

レスリング力とフィジカルに秀でた岩井は、上のパウンドを打てるポジションを常にキープしポイントを稼ぐ、「猪木アリ」状態で新村がグラウンド状態で蹴り上げ逃げようとするが、岩井がパウンドを右遠とするときに顔面を蹴ってしまい試合がストップ、新井に口頭注意がレフリーから言い渡される。

試合を中央で再開するが、そこでゴング、第1ラウンド終了。

だが、もし顔面への反則攻撃を無視して岩井がアグレッシブに攻めたのなら1ROUNDの展開が大きく変わったかもしれなかった。あの瞬間は攻めのタイミングだと推察する。



=神の御心【岩井アタック】=

岩井拓哉の戦い方は伝統工芸の頑固な職人気質だが、指導者のハイブリットレスリング中里代表や様々な指導者達が岩井に師事してきたが、岩井の攻撃は7年前から何も変わらない。


2011年 激突Ⅳ 第8試合 岩井拓哉VS周作

2017年 LEGIONin鹿児島 岩井拓哉VS新村秀作


二つの映像を見比べてもらえばわかるが、普通のファイターなら経験を積み洗練されていくが、岩井拓哉の真理は不変である。
ここまで来ると伝統芸能というより、何か別の高次元な存在に岩井拓哉はコントロールされていると結論する。




本人も試行錯誤考え色々と技を出し戦おうとするが体が勝手に動いてしまってしまう。
これは旧約聖書のモーゼが神の力を借りて海を割り海峡を渡ると言った神の軌跡と同じで、本人の意思では、もうどうしようもならない事柄。

もう岩井拓哉を神様がゲームのコントローラーで、【↓↘→○】とスイッチを押してゲームのキャラクターのコンボ技を出しているとしか考えられない。

そう、それは神の御心である。
【岩井アタック】は神の技。
神様が天界から岩井拓哉という選手をコントローラーで【↓↘→○】とコンボしているからこそ可能な攻撃だ。

話を試合に戻そう。
2ROUND、新村のジャンピングパンチをかわして潜り込み、そこを神様が【↓↘→○】と入力し【岩井アタック】でロープに押し込み新村を攻める。

新村は1ROUNDと同じハーフガードから右膝を腹に入れ込み下からコントロールしそこから強力なパンチを岩井に入れダメージを負わし、よろめいた岩井に攻撃をしかけた。
立ち上がりざまに新村が打ったパンチが岩井を追い込む。
そこで【岩井アタック】で新村にしがみつきで再び攻め、ついに岩井はマウントポジションを取ることに成功する。

岩井はパウンドポジションからパウンドの連打を落とすが、上のポジションが上手くキープできずダメージを与えきれず、ブリッジでスイープされ、またしてもスタンドから伝統工芸のタックルからのテイクダウン、そしてマウントからのパウンド、そこをスイープされ岩井は下から腕十字を仕掛けるが、逆に持ち上げられバスターで落とされ、そこからラスト1分は素早い攻防のやり取りで、岩井が横四方からアームロックを仕掛け極まらないと見るや、岩井は時間稼ぎに腕十字に切り替えスッポヌケて新村に逃げられ打ち合いになるが、そこで試合終了




岩井には極め力が足りず、最後の一本勝ちまで持っていけなかったが、必殺の神の御心【岩井アタック】でポイントを奪い、判定は3-0で岩井拓哉の勝利、ゆっくりと手を上げ勝利をアピールし、岩井が勝利した同時刻にヨーロッパのとある教会で・・・・

聖母マリア像が奇跡を起こし血の涙を流した。

・・・この奇跡はキリスト教カトリックのヴァチカン奇跡委員会が【岩井アタック】とともに奇跡に認定されるかどうか調査されることとなる。それは別の物語、別の機会に語りましょう。

《この物語は、80%の真実、10%のフィクション、10%の?で構成されています》